侵害熱応答というブラックボックス

摘要

学会に行くと様々な研究者と出会います。そしてその度 に皆本当に生物が好きなのだということを痛感します。私 は今までショウジヨウバエを使って痛覚の研究を行ってき ました力;，皆さまのように虫が好きだったとかそんなこと は全くありません。今回はそんな私がなぜ今の研究をする に至つたかを話したいと思います。大学進学時に医学の道を断念した私は，"分野が近そうだ" という理由で生物学を選択しました。そこでは，根っから の生き物好きから私のようになんとなく入学してきた者ま で様々な学生がいました。そして，入学した生命科学コースでは自主研究という科目があることを知りました。これ は1年生から課題.目的、方法などを生徒自身で考え，そ れを基に研究力s行えるという独自の制度でした。その頃の 私はこの科目を履修したいものの，調べたいと思うテーマ がないという状態でした。そこから何に興味があるかひと しきり考えて出たのが今もテーマとしている"痛覚"でした。 そして今も所属するショウジヨウバエの研究室を紹介され， 学部1年から痛覚の研究を始めるに至りました。当時はこ のテーマでまさかハエを使うとは想像しておらず，勧めら れた際はだいぶ混乱した記憶があります。