革新的技術/素材の恩恵を最大限に享受した豊かな社会の構築に向けて ～ ナノマテ1)アルの安全性確保基盤の構築を例に～

摘要

2000年1月に、当時の米国クリントン大統領が「国家ナノテクノロジー戦略(NNI) 」を発表し、大 規模国家予算を投資したことがーつの起爆剤となり、 ナノマテリアルの開発研Aと生産、そして実用化が、 国内外の産官学を問わず、多くの領域（医療、情報、環境、エネルギーなど）で急速に進展した。ナノマテリアルとは、少なくとも一次元の大きさが100nm以下で製造された超微細材料と定義されている（毛髪の太さ：50μmの500分の1以下）。このナノマテリアルは、従来までのサブミクロンサィズ以上（100 nm以上)の素材とは異なり、サィズ減少に伴う組織浸透性の増大や電子反応性の増大、重量あたりの表面積の増加などによって革新的機能を発揮する。そのため、種々の産業に革命を起こす夢の新素材になるものと期待さ取ており、医薬品 食品 化粧品領域では, ナノシリやナノ酸化チタン、フラーレン、自金ナノコロイド、ナノシルバーなどが、必須素材として既に上市されている。