第1章光源および点灯回路

摘要

経済産業省機械統計によると，2013年のわが国の白熱電球生産数は632百万個（前年比91.0%）で，そのうち八ロゲン電球は生産数量27百万個（前年比108.6%，前々年比97.4%），自動車用電球は生産数量556百万個（前年比97.9%），一般照明用電球を含むその他の白熱電球は生産数量49百万個（前年比62.8%），また蛍光ランプ生産数量は174百万個（前年比87.2%），HIDランプの生産数量は6,464千個（前年比89.7%）であり，比率は異なるが，減少傾向である．これらは，LED化による生産，販売低下を表していると思われる．LEDランプについては，販売数量は23,251千個（前年比107.9%），販売金額は43,140百万円（前年比96.4%）であり，販売数量が増加したのに対し，販売金額は減少していることから，価格低下が窺える結果であった．販売量の増加に伴い，省エネ法のトップランナー対象機器に電球形LEDランプが追加された．主な展示会は，国内では3月に「ライティングフェア2013」，4月に「Light Fair 2013」が米国フィラデルフィアで開催され， LED素子を含むLED照明関連の最新の製品が展示された．LED素子の最近の開発状況については，毎年2月に米国カリフォルニアで開催されているStrategies in Light (SIL)でも報告があった．LED素子の種類も多様化し，個別パッケージ(discrete)から，COB (chip on board)，モジュール(module)，ライトエンジン（light engine）まで広がっている．省エネとともに環境問題として水銀含有製品の廃止および水銀使用量の削減が注目されており，2013年10月に「水銀に関する水俣条約」が採択?署名され，HIDランプでは水銀ランプが規制対象となる．そういった背景からランプに使用している水銀量や条約内容の説明，今後はHIDランプからLED照明に変換を計画するなど，水銀含有製品に関する今後の取り組みについての報告があった．その他放電ランプでは，誘導結合型の無電極ランプ，誘電体バリア放電，単層および多層カーボンナノチューブ，無水銀ランプ，マイクロキヤビティ，量子ドットなどの報告があった． LED点灯回路に関しては，出力リプルやフリッ力低減を狙った研究，回路効率の改善や省エネを狙った研究，回路のカ率改善を狙った研究，出力部を分割して複数のLEDを点灯させるマルチ出力に関する研究，調光方式に関する研究などが多数みられた．