建材用チタンの特性と最近の動向

摘要

チタンの歴史は,銅の6000年，鉄の4000年に比べて非常に短く，アルミの100年に比べても約半分の50年余に過ぎないが,日本におけるチタン展仲村の現在の生産量は1万トン／年を少し超えるレベルに達しており，建材用途には150～200トン／年ペースでチタンが使用されるにいたっている色　 先に述べたように，チタンは軽い,強い，さびないなど，抜群の特性を有しているが，素材単価がステンレス鋼の約10倍と，初期投資の割高感は否め。 なく，敬遠されるケースが少なくない。 しかしながら，腐食しろ,加工費などを加味して建材壁パネル施工のイニシャルコストを比較すると,ふっ素樹脂塗装SUS304ステンレス鋼の1.8倍,ふっ素樹脂塗装アルミニウムの1.7倍であり，さらに，ライフサイクルコストを比較すると，これら材料よりも長期的には有利であるとの試算もなされている14）。 今後，建材としての使用目的，環境，メンテナンスなどとの関連で，チタンの特性の検討·認識がなされ，建材分野において,チタンがますます上手に利用されていくことを期待したい。