低濃度亜硝酸塩環境における銅合金の応力腐食割れ感受性

摘要

アルミニウム黄銅，alpha黄銅，キュプロニッケルについて100ppm程度の亜硝酸ナトリウム水溶液，アンモニア水溶液，硝酸ナトリウム水溶液中でSCC試験を行った結果，以下のことが明らかになった．亜硝酸ナトリウム水溶液中では，アンモニア水溶液に氏べてSCC感受性は著しく高い．黄銅系の材料はSCC感受性を示すが，キュプロニッケル／はSCC感受性を示さず，耐SCC性において極めて優れている．SSRT試験では幕内書けれを示したが，定荷重SCC試験では粒内部れから粒界割れへ変化しており割れ形態は応力·歪み条件に依存する．亜硝酸ナトリウム水溶液中でのSCC感受性は，電位依存性を示し，カソード分極で抑制され，アノード分極で加速される．BTA添加によりSCCを抑制することができる．SCCの抑制はBTAによる保護皮膜の形成に基づくと推定された。 亜硝酸によるSCCは，亜硝酸の還元物質であるアンモニウムイオンによるものではなく，亜硝酸自体の特性に起因する．亜硝酸によるSCCは，亜硝酸の還元物質であるアンモニウムイオンによるものではなく，亜硝酸自体の特性に起因する．