窒素追肥の時期がコムギ品種「ュメシホウ」の収量および 子実タンパク質含有率に及ぼす影響

摘要

窒素追肥時期がコムギ品種「ュメシホウ」の収量並びに子実タンパク質含有率に及ぼす影響を明らかにするため，2008/2009年と2009/2010年の2作期にわたって茎立期から登熟後期の間に，1 approx 2週間間隔で窒素を追肥し，収 量，子実タンパク質含有率および開花期から成熟期までの乾物重と窒素蓄積量の増加を無追肥区と比較した.収量は， 節間伸長期の開花前16日以前の追肥と登熟中期の開花後20日前後の追肥により増加する傾向がみられた.開花期前 後の追肥では，1穂粒数が減少し，収量は増加しなかった.子実タンパク質含有率は，開花期以降の追肥によっての み増加した.節間伸長期の追肥によって子実タンパク質含有率が高まらなかったのは，無追肥区に比べて穂の窒素蓄 積量は増加したものの，開花前蓄積乾物量と開花後同化乾物量が多くなることによつて穂の総乾物蓄積量も窒素蓄積 量と同程度に増加したためであった.一方，開花期以降の追肥では.無追肥区に比べて開花後同化乾物量よりも開花 後の同化窒素量が大きく増加したため子実タンパク質含有率が高くなつた.