越冬潜入場所から離脱した クサギカメ厶シ成虫の栄養状態

摘要

クサギカメムシHalyomorpha halys (Stal)は日本全域に分布し (安永ら，1993),古くから果樹類，マメ類および野菜類などの飛 来性害虫としてよく知られている(長谷川、梅谷，1974).しか し，本種は寄主範囲が極めて広く （Kobayashi, 1956, 1967；川 沢、川村，1975;堤，2001),成虫は解^1物を季節的に移動し (柳、萩原，1980；川田.北村，1983),さらに活動期には非常に 低密度の個体群しか形成しない（川田、北村，1983)などの生態 的特性から，個体群動態の調査が容易でなく，生活史は断片的にしか明らかになっていない.近年はわが国だけでなく，アメリカ 合衆国や欧州でも本種成虫の多発生による農作物の被害が問題になっており(e.g. Nielsen et al.， 2008； Wermelinger et al"2008), その多発要因を解明し，効果的な防除対策を講ずる上でも，生態 に関する多くの知見が求められている.