和歌山県御坊市におけるコナガの薬剤感受性の変動

摘要

1985年～1997年に和歌山県御坊市から採集したコナガについて，3齢幼虫を用いた葉片浸潰法により薬剤感受性を調査した．合成ビレスロイド剤の効果が減退した1985年からBT剤の使用量が増加したが，それにともないBT剤（トアロー水和剤CT~(R)）に対する感受性が低下し，1986年と1987年にLC5。 値が20ppm前後となった．しかし，BT剤の防除効果が低下したために使用量が減ると，感受性は再び高まった．1988年からクロルフルアズロン乳剤がおもに使用され，当初感受性は極めて高かったが，1991年秋以降感受性が低下している．近年散布回数が減少した有機リソ剤に対する感受性は回復したが，合成ビレスロイド剤は，コナガ以外の害虫を対象に散布される場合も多いので，感受性は回復していない．