ネギアザミゥマの致死高温度および太陽熱を利用した地表面フィル厶処理による防除

摘要

露地栽培ネギの収穫終了後に地表面を農業用透明ビニル フィルム（以下，フィルム）で被覆し，太陽熱により土中のネギアザミゥマを殺虫する防除法の有効性を検討した2006年に，成虫を封入した容器を一定温度に調節した恒温 器内に静置して所定の処理時間を経過させる方法により致 死高温度を調査したところ，44-50°Cでは30分処理で全 ての成虫が死亡した.2006年5-11月に地表面をフィルム (0.05mm厚）で被覆して地温を連続測定したところ，最高 温度が44°C以上となる期間は地下2cmでは5月上旬-10 月下旬であった.2008年6-7月の露地栽培ネギ収穫終了 後にフィルムを2-4日間被覆した後，畝上に捕殺用粘着 トラップを設置して土中から羽化した成虫の捕殺成虫数を 調査したところ，処理区の捕殺成虫数は無処理区の 18-20%に抑制された.したがって，太陽熱を利用した地 表面フィルム処理によるネギアザミゥマの防除法は有効で あり，本防除法は大阪府では5-10月に利用できると考え られた.