ミカンキイロアザミウマによるトマト黄化えそウイルス獲得源としての各種雑草の評価

摘要

トマト黄化えそウイルス（TSWV）（ブニヤウイルス科；トスボウイルス属）は野菜渠および花き澤の重要病害の一つである（Whitfield et al．，2005）．我が国では，1965年に輸入ダリアからはじめて検出された（末次，1969）．その後，1972年に岡山県のダリア圃場で発病が認められたものの（井上、井上，1972），大きな被害には至らなかった．TSWVの被害が深刻になったのは、媒介種であるミカンキイロアザミウマFrankliniella occidentalis（Pergande）（アザミウマ目；アザミウマ科）の発生が国内で初確認された1990年以降であることから（早瀬、福田，1991），本種の分布域拡大に伴ってTSWVが全国に蔓延したと考えられている（花田，1999）．