エアシャワーにおける抗菌剤（次亜塩素酸ナトリウム溶液）を用いた エア口ゾル噴霧による抗菌効果試験

摘要

エアシャワー（図1)は清浄作業区域に入室する際，作業者による塵埃持ち込みを最小限にするため設置され.「入 室者の衣服及び物品の表面などに付着している比較的大粒径の粒子を高速気流により除去すると共にクリ-ンルーム 内外の空気のクロスコンタミネーションを避けること.」と設置目的が規定され，これまでに電子半導体'食品関連-医薬品製造等，多くの分野に設置され効果を発揮している.従来型エアシャワーは物理的方法により，粒子20-30um以上の塵埃除去に有効だが，より高度な清浄環境が求められる指定医療,薬品,細胞治療等の研究機関では， 微生物が衣服に残存したまま清浄区域内に持ち込まれることが懸念されている.このような背景から化学的な消毒機 能を併せ持つ新規エアシャワーの開発に着手した.化学的な薬液候補としてアルカリ性次亜塩素酸ナトリウムに着目 し使用した.この薬液は一般の次亜塩素酸ナトリウムと抗菌効果は同程度である力5.防鲭性に優れ，かつ食品添加物 として認可されている.エアシャワー採用にあたり人間との薬液接触を必要最小限に抑え，かつ衣服に万遍なく接触 消毒させるにはエア口ゾル噴霧方式が最適であると考えた.薬液濃度と接触時間において溶液に浸漬した抗菌効果の 文献は多いが.空気中噴霧エアロゾルの抗菌効果の報告は見当たらない.そこで，抗菌剤噴霧エアロゾル法がどの程 度の抗菌効果を示すかエアシャワー実機（図2)により調査した.