家畜伝染病への対応：2008年6月、英国において発生したH7N7による高病原性鳥インフルエンザに学ぶ

摘要

2003年、アジアに端を発する高病原性鳥インフルエンザ（HP朗）はヨーロッパ、アフリカ地域にまで蔓延し、その発生から5年たった現在、アジア、アフリカの国の中には常在化が懸念される国もあり、関係国、国際機問等が一体となって発生予防、蔓延防止のための防疫努力が続けられている。今年、英国ではHP封が発生したが、その原因は、疫学調査の結果、発生農家に当初、侵入したものと考えられる低病原性鳥インフルエンザウイルスが途中で変異して出現したHP封ウイルスではないかとする報告が行われ、一方、我が国に関しては、隣国の韓国における大規模発生と、十和田湖、野付半島及び佐呂阻即畔におけるオオハクチョウからのHP封ウイルス分離（韓国の大規模発生の分離ウイルスと遺伝子学的に極めて近縁）があった。これらのことから、我が国としては清浄性を維持していくためには、海外の発生事例におおいに学び、再発生の防止と、発生した場合の迅速な初動、早期清浄化のためになお一層の努力を傾注する必要がある。