活性汚泥の管理指標としての微小動物相に関する研究

摘要

近年、畜産環境問題は、畜産の規模拡大、農村への住宅の進出、住民の環境問題に対する意識の向上、人と家畜の排せつ物の取扱いの相違、農耕地面積に対する家畜家禽頭羽数の過剰などが主要因となり、畜産経営は厳しい現状にある。 さらには、農業環境3法が1999年10月に施行され、環境保全型農業推進の法的体制が整えられ、家畜排せつ物に直接的に関与する「家畜排せつ物法」が1999年7月に公布後、同年11月に施行され、本法の完全施行は2004年11月であり、現在は規制対象農場の99％以上は本法を遵守していると報告されている。しかし、排せつ物の「素掘り」、「野積み」は解消されても、ふんの堆肥化と尿の浄化については未だ不満足な施設であったり、未熟な管理によるものも散見される。 一方、環境基本法の「人の健康の保護に関する環境基準」は1999年2月に硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が追加され、その基準値は10mg／L以下と設定された。 これを受けて、2001年7月には水質汚濁防止法の有害物質項目として、硝酸性窒素が加わり、その一律基準は100mg／Lと定められた。 しかし、畜産農業については暫定排水基準が設定され2004年6月まで1，500mg／Lとされ、その後、2010年6月までは900mg／Lと設定されている。 即ち、有害物質である硝酸性窒素は畜産農業については非常に緩い基準を守ればよい状況にあるものの、数年後には一律基準を遵守していかかナればならなくなるであろう。また、公共用水域への窒素やリンの排出については富栄養化防止を目的に一律排水基準が各々、120mg／L（日間平均60mg／L）、16mg／L（日間平均8mg／L）と設定されているが、畜産農業に対しては2008年9月までの暫定基準が設定されており、各々、190mg／L（日間平均150mg／L）、30mg／L（日間平均24mg／L）との現状に.