ブタにおける大腸菌の生体内移行と肝臓由来菌株の薬剤感受性

摘要

腸管内細菌の生体内移行（bacterial translocation : BT）は、消化管に定着している細菌が消化管粘膜のバリアを越えて、血行性あるいはリンパ行性に腸間膜リンパ節や肝臓等の他の臓器に侵入する現象であり、菌種としては大腸菌をはじめとする Enterobacteriaceae が多いことが知られている。 畜産動物では、BTは家畜衛生のみならず公衆衛生上も重要であると考えられるがこれまでほとんど研究されていない。 そこで、ブタにおけるBTの実態を知るとともに、肝臓から分離される大腸菌の薬剤感受性を明らかにすることを目的として以下の実験を実施した。