回生絞り込み制御

摘要

電気鉄道においては、車両の制動時は主電動機を発電機として運転し、発生する電力を架線に返す回生ブレーキが可能であり、多くの車両で採用されている。これにより消費エネルギーの節減が得られるとともに、機械ブレーキの摩耗低減の利益が得られる。回生電力は、交流電気方式においては変電所に設置された変圧器を介して系統側に戻ることができるが、直流電気方式においては変電所に設置されたダイオード整流器で阻止され、交流系統側に戻ることが出来ず、専ら他の力行車両によって消費されることになる。従って、他に力行車が存在しない場合には回生電力の行き場を失って架線電圧が上昇し、機器の耐圧限界に達する。従って直流電気車においては架線電圧が耐圧限界に達する手前で回生電流を減少させ、電圧の上昇を防止する制御が行われる。これを回生絞り込み制御と呼ぶ。