恩師「横山理雄博士」を偲ぶ

摘要

あれは本年5月24日の夕刻のことだった。タイ・バンコックに滞在しているホテルでPCを開いた途端，クレハOB横山氏ご逝去の悲報が飛び込んできた。あんなに精力的に仕事をこなし，部下の面倒をみながら，専門書を出版し，数々の講演をこなした方がと息をのんだ。私が配属された呉羽化学工業㈱（後のクレハ）・東京研究所月島分室（後の食品研究所）は，クレハロンフイルムの特性を利用した応用研究のメッカで，所長の上野三郎博士を筆頭に昼夜魚肉ソーセージの研究に没頭していた。当時は，大手水産会社が先を競って“マグロ”を有効利用するための研究を始め，それを商品化したのがクレハロン包装の“魚肉ソーセージ”であった。