建築物周り構造物からの風切り音の風洞実験の実際と問題点

摘要

Fig.1に示すような建築物外壁面に取り付けたルーバゃ手摺といった附属構造物に風が吹き込むことにより，特徴的な音色を持つ騒音や激しい振動を起こすことがある。このような騒音や振動の発生は，当該ビル屋内へ空気伝搬あるいは固体伝搬により侵入するばかりでなく，当該ビル周辺へも放射し騒音苦情となる場合がある。また振動は附属構造物の強度を低下させ，そのもの或いは留め具を破損し，時には脱落落下事故となることがある。これを予防するために高層ビルの企画設計段階で附属構造物の形状•取り付け方•施工位置など検討する必要がある。特にこのような問題を避けなければならない建築物には，特徴的な騒音および振動の発生を予見するための風洞実験を行う。本稿では，この風洞実験の実施の一例及び問題点について議論する。