膨潤環境を想定したエポキシ樹脂/金属接合界面の熱応力解析

摘要

自動車に搭載される電子部品は様々な異種材料で構成されており，繰り返し熱負荷を与えられることで異種材料界面端部から剥離が発生し，疲労破壊する．さらに，水分等の液体に晒される環境ではエポキシ樹脂が液体を吸収することにより，異種材料間の熱応力に膨潤応力が重畳し，他の車載電子部品と比較し，より過酷な負荷環境となる．このような熱応力と膨潤応力が重畳することにより生じる破壊現象は極めて複雑であり，使用環境での信頼性を理論的に保証する適切な信頼性試験方法は確立されていない．そこで，本研究では，有限要素法 (FEM) を用いて膨潤環境における温度サイクル負荷を想定した拡散-熱応力連成解析により接合界面の強度評価を行い，使用環境における負荷を保証できる最適な電子部品の信頼性試験条件を検討することを目的とした．