Ti 合金の焼入れ組織ならびに機械的特性に及ぼすβ相安定化元素の効果

摘要

Ti-Mo二元系合金を、高温のβ相(bcc)から氷塩水中へ焼き入れた際、合金組成に依存して、準安定相であるα’相やα”相そしてathermal ωが形成されることが知られている。一方、Ti-Fe二元系合金では、高温のβ相(bcc)から氷塩水中へ焼き入れた際、α”相は形成されず、合金組成に依存してα’相やathermal ωが形成されると報告されている。これらの準安定相の形成は合金の機械的特性に大きな影響を与える場合もあるが、それら準安定相の形成と合金の硬度やヤング率等の機械的特性との相関について詳細は未だ明確となっていない。そこで本研究では、α”相を生成するMo、Nbといった固溶型β相安定化元素と、α”相を生成しないFeなどの共析型β相安定化元素を用いてTi二元系合金を作製し、種々の合金のヤング率および硬度測定から、合金の内部組織と機械的特性の関係を明らかにするとともに、β相安定化元素であるMo、Nb、Feなどの添加元素の差異を調査することを目的とした。