スラリー埋没加熱処理で形成した Ag 含有アパタイト酸化被膜の異なる菌種に対する抗菌持続性

摘要

これまでに我々は、チタン(Ti)基板を難溶性のリン酸カルシウム粉末に少量のAgNO_3溶液を加えて調整したスラリー状試薬中に埋没させ、そのまま熱処理をすることで(スラリー埋没加熱処理)その表面に骨形成性能と抗菌性能を併せ持つAg含有アパタイト(Ap)酸化被膜を形成でき、この被膜を有するTi基板は優れた抗菌性を有することを報告している1) 2)。しかし、この抗菌性の生体内における持続性および各菌種に対する有効性はまだ明らかにされていない。そこで,本研究ではスラリー処理したTi基板を一定期間浸漬し、グラム陽性及びグラム陽性菌に対する抗菌活性を調べた。また、浸漬に使用した疑似体液内のAg濃度を定量分析することで、Ag溶出量と抗菌持続性の関係性について考察した。