放射性廃棄物処分容器の構造健全性に関する研究（健全性評価に対する考え方）

摘要

オーバーパックの健全性を確保するための考え方について検討し，今後の研究開発課題を整理した．オーバーパックの健全性を保証するためには，腐食と構造の観点から検討する必要があり，構造健全性は材料劣化を考慮した強度設計と欠陥評価で構成される．埋設後に想定される材料劣化事象は脆化であり，その他の事象の発生は制限できると考えられる．したがって，材料劣化を破壊抵抗の低下として許容欠陥寸法を設定し，溶接欠陥の寸法が許容値（安全率を考慮）以下であることを確認することで，オーバーパックの構造健全性を示すことができる．今後の研究開発課題としては，脆化量の予測および欠陥寸法測定精度の向上が挙げられる．本研究は，経済産業省からの委託による「平成25 年度 地層処分技術調査等事業 処分システム工学確証技術開発」の成果の一部である．