レスコンシーズのための次世代レスキュークローラーの開発

摘要

福山大学工学部スマートシステム学科では，1年生を対象とした初年次教育である教養ゼミを開講している．この講義は全15回実施され，後半の8回は，学生が主体となってロボットコンテストの企画と運営が行われる．2011年からレスキュークローラー（以下レスクロ）を使用し，考案したレスキューフィールドを作成しロボットによるレスキュー活動を題材としたロボット競技を行っている．レスキューを題材としたロボットコンテストとして，阪神大震災をきっかけとして生まれたレスキューロボットコンテスト（以下レスコン）があり，防災を災害対応に関する啓発や広報も主眼とされている．レスキューロボットコンテスト·シーズ（以下レスコンシーズ）はレスコンを小規模化，地域提案型化したものであり，低年齢層の育成等地域密着型の要素が加わっている．また，レスコンシーズには各地にレスコンの種をまくとともに低年齢層に人の役に立つロボットの定着をはかるという啓発の意味も込められている［1］．本稿では，このレスコンシーズのコンセプトに則ったレスコンシーズ備後版の取り組みと実施結果を報告する．今回はレスコンシーズ備後版の改良と次世代レスクロ開発のために無線試作レスクロを用い，使用後にアンケートを実施した．これに基づいたレスコンシーズの今後の開発指針も考察する［2，3］．