ブレイン系ソフトリンクル加工法の確立と機能開拓

摘要

自然界の表面形態には様々な幾何学パターンが存在し、そのパターンは自己組織化により自発的に形成される。なかでも、“しわ（リンクル）”構造は葉の表面や波紋·砂紋、皮膚やカーテンのひだ等、身の回りで見ることができる。一方、我々のからだ·組織が形づくられていく発生·形態形成過程では細胞表層に加わる力学的な因子が大きく関係している。脳のしわや腸のひだといった凹凸構造も、表面と細胞骨格に関わる力学的なバランスにより決定される。本研究では、これらの形態形成過程を模倣し、柔らかい弾性体表面伊DMS）に硬い薄膜（硬シリカ層や金属）が密着している系において表面方向に圧縮応力が加わる場合に、界面の座屈現象に起因して自己組織的に発生する規則的かつ微小な波状凹凸構造“しわ”を利用した微細周期構造の作製法を提案し、その応用展開について発表する。