セッピョウ ヒョウソウ メカニカル ドリル ノ セッサク トクセイ

摘要

氷床深層コア掘削用のドリル開発に関連して, メカニカルドリルの切削特性を把握するため, 表層コア掘削用の軽量メカニカルドリルの室内掘削試験を行った。得られたデータを, 切削理論に基づいて考察し, 次の結果を得た。(1)メカニカルドリルの消費エネルギーのうち, 1/3が切削に, 2/3がドリルの回転に使われる。(2)切削エネルギーは氷のせん断角が大きいほど小さくなるので, 効率のよい切削には, 刃のすくい角を大きくし, 刃先荷重を適切に調整する必要がある。また, (3)掘削時の消費エネルギーや刃先荷重のモニターにより, 氷床氷のせん断応力を連続的に測定できる可能性も示した。