構造用パーティクルボードの耐久性能(第4報)水分作用による曲げ強度の劣化機構に関する一考察

摘要

床下地パーティクルボードの水分の作用による曲げ強度劣化機構を厚さ膨潤と曲げ強度低下の関係から考えると,劣化機構は荷重伝達回路の量と質,すなわちパーティクル結合点の数と結合強度の程度という点から整理することができた｡また,ボードの乾燥による厚さ膨潤回復と曲げ強度回復を調べ,接着剤の異なる4種のボード間で劣化機構の差異を検討した｡その結果,イソシアネートおよびフェノールボードでは乾燥による強度回復が認められ,ユリアメラミン,ユリアボードでは回復が認められず,荷重伝達回路の質の回復には接着剤の種類が影響すると考えられた｡また,ユリアメラミンボードについて吸水促進処理後の乾燥による曲げ強度と厚さ膨潤回復を調べ実際使用の場合と比較し,促進処理と実際使用での劣化機構の差異を検討した｡その結果,吸水処理後の乾燥により曲げ強度回復が認められ,ユリアメラミンボードの場合実際使用と吸水処理とで加水分解等化学的劣化の差異があると考えられた。