A Study of Understanding and Practice on Early Childhood Education Content “Human Relations” - An Attenpt to Understand Content “Human Relations” by Historical Analysis of change -

摘要

幼稚園教育要領における領域「人間関係」はこれまでに２度改訂されているが、改訂にあたってはその理 解と実践について現場に混乱が生じていることが報告されている（森元ら，２008）。平成30年の３度目の幼 稚園教育要領改訂を控えた今、現場の保育者ならびに保育者養成課程の学生が新しい要領を適切に理解する ための方法論の確立が急がれている。本研究は、保育士養成課程における領域「人間関係」の授業における 領域「人間関係」の改訂の歴史的変遷を確認する実践から、領域「人間関係」の適切な理解の方法論および 適切な理解を土台とした実践への発展の可能性を議論するものである。授業実践で取り上げた４つの議論と、 議論における学生の考察を分析した結果、領域「人間関係」をねらいや内容の文言に直結する実践を想定し て理解するだけではなく、「環境を通した学び」や「子どもの主体的な活動」「遊び」など、保育の根本を支 える重要なキーワードを関連づけながら理解を深め、保育をとらえる視点が生まれていることが確認され、 理解の方法論として改訂の歴史的変遷を確認する方法の有効性が示唆された。