Relationship between Psychological Competitive Ability and Sport Competitive Anxiety in Volleyball Players (nine players system)

摘要

本研究では,9人制バレーボール国体候補選手の心理的競技能力の変容とスポーツ競技不安との関係について検討した。その結果,国体に向けた1年間の活動(練習および試合,メンタルサポート)を通して,心理的競技能力の向上が認められた。特に,総合得点,競技意欲因子,自己実現意欲尺度,リラックス能力尺度において有意に得点が向上していた。これらはメンタル面のサポートを含めた活動全体の効果があらわれたものと考えられる。また,心理的競技能力とスポーツ競技不安との関係について分析したところ,特性不安においては闘争心,リラックス能力,集中力,決断力の4尺度,状態不安においては闘争心,自己実現意欲,自己コントロール能力,リラックス能力,集中力,自信,決断力,予測力の8尺度との間に関連が認められた。これらの結果は,先行研究で報告されてきた不安とパフォーマンスとの関係をさらに支持するものであり,不安への対応策としてメンタルトレーニングを実施することの有効性を示唆するものでもあった。