A compositional and mophological analysis of ponds and streams in the Japanese gardens : The stroll style gardens in the Momoyama and the Edo periods.

摘要

江戸中期以前の作庭にかかる廻遊式庭園のうち, 代表的なしかも今日まで作庭当時の姿が比較的よく維持されてきた庭園8例を研究の対象としてとりあげた.研究はこれらの庭園の平面図を基礎に, 各庭園の池と流れの形態, 面積を手がかりにその水景のデザイン的特性を検討し, また, 庭園規模と水面の広さとの関係等についても検討した.その結果, 廻遊式庭園という名称で一括される庭園でも, 庭園の設けられる当初の地形条件を見ると, そこには種々異った条件が見られること, またこの作庭当初の地形条件の違いによって, そこに造り出される水景の特性にかなりの違いがみられることが, この研究をとおして明らかにされた.さらに, 本研究では庭園のもつ水面(池と流れ)の水景としてのはたらきの軽重を推定するための指標についても検討を試みた.