Studies on Auditory Brainstem Response (ABR). Report I. An Examination for the Latencies Elicited from Normal Hearing Persons using the Difference Diagram Method

摘要

正常聴力保有者を10歳以上49歳までの応募者59名中よりAudiometerを用いて厳格に選択し,10歳以上39歳までの10名を得た。この10名の20耳につきAuditory Brainstem Response (ABR)を測定し下記の成績を得た。1. I, IIIおよびV波は,それぞれ100 Decibel Sensation level (DB SL)側に収束するIogistic曲線(A)とO DB SL側に収束するIogistic曲線(B)とで構成された。2.それぞれのIogistic曲線は,曲線を構成する潜時の逆数の等差図上でそれぞれ2本の等差線として表わされた。3. 100 DB SL側に収束する直線A, O DB SL側に収束する直線Bとすれば,A直線とB直線との間に不連続部(Discontinuity Portition: D.P.と仮称する)と交差点(Crossing Point: C. P.と仮称する)とが認められた。4.正常者10名以外の68名のABR潜時をDB SL上に連記した図形と潜時逆数によって作図された等差図とを比較検討し, D. P.およびC. P.のDB SL換算値がABRの正常か非正常かを判定する指標となりうることを確めた。