The Diagnosis of Tomato Plug Seedling by the Extracted Sap Analysis : 1. The Investigation of Sap Extraction Method, and Effect of the Amount of the Fertilizer and the Plant Sample Storage

摘要

汁液分析による野菜苗の栄養診断法の確立のため, トマトセル成型苗を材料とし, 汁液抽出時の適正な希釈倍率, 抽出法の検討, 施肥量と苗の生育, 汁液中無機成分濃度との関係, 試料の保存が汁液中無機成分濃度に及ぼす影響を調査した。各無機成分濃度の測定値およびそのばらつきを考慮し, 試料と水の比率は1:19(gFW:ml)が適当であると判断した.一般に汁液中無機成分濃度は, 施肥量を反映するが, 生育抑制が起きるような, 少肥あるいは多肥の場合には, 必ずしも施肥量を反映するとは限らず, 標準の植物に比べて, 少肥で高い, あるいは多肥で低い値を示す可能性があることが明らかとなった.冷蔵条件下(5℃)において保存日数による無機成分濃度の変化が最も小さかったことより, 試料の保存には, 冷蔵が最適であると思われた.また, 汁液分析に供試する植物試料は, 採取後少なくとも3日以内に汁液の抽出, 分析を行う必要があると考えられた.