A Consideration on the Farm Yard Composition and Plantings of Farmsteads in the Southwestern Korea

摘要

韓国西南部の全羅北道金境地域と全羅南道海南地域の農家の庭の構成とその特徴を前報の東南部(慶尚北道清道地域)と比較しながら考察した.東南部の閉鎖的な房に比べて西南部の農家建築は開口部が大きくなるとともに軒が深くなり, 板縁(マル)が房の外を巡る形になる.こうした建築の変化と呼応してマルや房から眺める形の植栽が主屋前庭の建物近くにより多く見られるようになる.そして, その構成には対植や左右対称の配植がみられ, この地域のみならず韓国における配植の大きな特徴を成している.また, 西南部では東南部に比べて主屋の奥行きが増し部屋が前後に区切られるようになり, それとともに庭の表, 裏の区分がより明瞭になる.以上のように, 韓国西南部の農家建築や, 庭とその植栽に見られる特徴は, 日本の農家建築や庭のそれに繋がるものと考えられた.