Studies on the Pest Control in Greenhouses with the Use of Power Sprayer

摘要

園芸施設内の支柱仕立て作物の防除作業を動力噴霧機のディスクノズルで行なう際の有効な散布法を知るために, ノズルの基本性能に関する試験と薬剤の付着度に関する試験を行ない, 次の結果を得た.1.供試ディスクノズルの各噴霧圧における流量, 噴霧角, 流量係数, さらに噴霧圧20kgf/cm^2での垂直噴霧量分布および水平噴霧落下量をそれぞれ求めた.2.噴霧圧20kgf/cm^2でのノズルの噴霧性能の結果から, 散布付着面とノズルの距離が75cmの場合に均一散布を得るには, ノズル取付間隔は35〜44cmが適当である.3.ノズルの水平噴霧落下量の試験結果によると, 噴霧薬剤を有効に散布するには散布付着面(作物)とノズルの距離は40〜80cmにすることが望ましい.4.付着度を判定するための標準付着指標の作成と, 付着度を客観的に判定し数量表示するために光電管を用いたが, 取扱いも簡単で有効な測定法であると考えられる.5. 1個のノズルによる付着試験では, 取付角度0°で付着しにくい葉の裏面への付着度改善には, 取付角度を22°〜38°にすることが有効である場合もあったが, 3個のノズルによる付着試験では, 1個のノズルによる結果ほど葉の裏面への付着度の向上はみられない.したがって, 葉裏面への付着度向上を図るためには, ノズル取付角度0°で作物両側からの散布法が望ましい.