Studies on polyphenol oxidase of Japanse pear fruits.

摘要

1.9品種の日本梨果実のPP含量とPPO活性および破砕時の褐変度を検討した結果, 褐変の強さとPP含量・PPO活性量との間には直接的な関係は認められなかった.2.9品種のPPOアイソエンザイムをディスク電気泳動後の活性染色でみた所, 雲井で3種, 二十世紀で9種のバンドが観察され, 品種によりザイモグラムパターンが異なった.3.雲井を22℃に貯蔵し, 貯蔵中のPP含量, PPO活性変動と果実の褐変度合を調べた. PP含量は35日の貯蔵期間中ほぼ一定であった. PPO活性は貯蔵直後に減少したが14日目には回復し, 以後再び低下した.コアブラウンは14日目に出現し, 褐変は次第に拡がった.4.雲井の粗酵素はカテコールを基質とした時, Km値は19.5mM, 最適pHは5.8であった.クロロゲン酸に対して最も強く作用した.基質を替えたザイモグラムパターンより, クレゾラーゼ活性をもつアイソエンザイムの存在がみられた.