Effect of Detaching Nodules at Early Growth Stage on the Symbiotic Nitrogen Fixation Activity in Soybean Plants

摘要

大豆(品種ホウギョク)を供試し, 生育初期に根粒を除去した区と, 除去しない対照区を設け, 根粒数, 根粒生体重, 葉面積, 地上部乾物重, 地下部乾物重及びアセチレン還元活性を調査し, 根粒での窒素固定能の推移, 特にその最高となる時期について検討を加えた.得られた結果は次の通りである.1.根粒除去後の根粒再着生とその活性の回復は著しく速やかであって, 除去後12日目には根粒生体重を除き, 両区間に有意な差はみられなかった.その後, 根粒生体重も差はなくなったが, 一方根粒数では対照区に比べてやや多く, 除去後52日目には明らかに対照区のそれをりようがした.その値を最高としてその後減少した.これに対し対照区ではその後も20日間は増加を続けた.2.根部のアセチレン還元活性と葉面積, 根粒数, 根粒生体重, 全乾物重との相関々係をみると, 葉面積との関係が著しく高かった.3.アセチレン還元活性の最大の時期は, 両区とも, 播種後70日目の子実肥大初期にあたり, その後は速やかな低下が認められた.このことについて葉面積の推移を中心として考察し, 窒素固定能は, 葉面積であらわされた光合成のソース能の大小と, 子実肥大のシンク能の大小によって主として動かされ, 根粒のシンク能によっては2次的にしか影響されないとした.なお本実験で供試した大豆品種ホウギョクの種子分譲を受けた千葉県農業試験場畑作研究室の諸氏に感謝の意を表する.