男性保育者をめざした学生たちは今どうしているのか？（２） ―保育職への参入・継続をめぐる男性の思いや葛藤を中心に―

摘要

本研究は，保育者養成校を卒業した男性を対象に行った質問紙調査の結果の第二報である。本稿では，男性保育者を目指した学生たちのライフコース，保育職参入後の継続・非継続の決断時における思いや葛藤，保育職への再参入・非再参入の決断時における思いや葛藤，現在養成校に通う男子学生へのメッセージを中心に検討を行った。研究の結果，①男性保育者を目指した学生たちのライフコースは多様であること（41名中26パターン確認），②保育職の離職率は保育以外の福祉職の離職率に比して極めて高いこと（63％：9％），③保育職参入後の継続・非継続，及び保育職への再参入・非再参入の決断時における思いや葛藤として，（a）受け入れ園側の雇用条件面の問題や，（b）保育職の特殊性の問題，男性保育者特有の悩みの問題があることなどが示された。今後は保育現場における雇用体制の見直しや，養成校との協同も含めた支援体制づくりの必要性などが考察された。