本論文では,見開きの冊子のような湾曲したドキュメントを対象とする,ビデオ映像のみを用いた画像モザイキング(ビデオモザイキング)手法を提案する.従来提案されているモザイキング手法の大半は,平面または平面に近似できるもののみを対象としており,湾曲した紙面のような非平面に対して手法を適用した場合には,生成画像上に幾何学的なひずみや複数画像の合成位置のずれに起因するぶれが発生するという問題があった.提案手法では,画像上の見掛けの動きを用いた三次元復元(structure from motion)によって撮影対象の形状と画像撮影時のカメラ位置・姿勢パラメータを決定し,紙面形状を推定することで紙面上の文書や写真を平面状に展開した高解像モザイク画像を生成する.本研究では,実際に手法を試作システム上に実装し,湾曲した紙面上の文章・写真から展開モザイク画像を作成する.また,生成された画像上のひずみを評価することで手法の有効性を示す.
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