Studies on multiple mucosal biopsy in patients with bladder cancer. 2. Evaluation on the relationship between the results of multiple mucosal biopsy and recurrence, and the clinical course of cases with carcinoma in situ and micro-invasion of carcinoma in situ

摘要

膀胱粘膜多部位生検を行った111例の膀胱癌症例について,治療後の臨床経過の検討を行った.治療法はTUR129回,膀胱全摘19回,その他3回で,TUR75例について累積非再発率を計算した.全例の累積非再発率は術後12ヵ月で約65%と急速に低下した.累積非再発率は腫瘍の単発症例が多発症例よりも有意に高く,粘膜生検で異常を認めなかった群に有意に高かった.また生検粘膜537検体のうち,生検で異常を認めなかった生検部位と同一領域の非再発率が有意に高かった.粘膜生検法で上皮内癌を15例に証明し,その最終的治療はTUR5例,膀胱全摘8例,対症療法的TURと内腸骨動脈塞栓術2例で,この2例を除き13例が18～42ヵ月生存中である.上皮内癌の微小浸潤を証明したのは13例で,その最終的治療はTUR 3例,膀胱全摘9例,抗癌化学療法1例であり,このうちA型でTURと抗癌剤膀胱腔内注入を行った1例とC型の3例の計4例が癌死に至った