Leydig cell tumor of the testis presenting male infertility: a case report

摘要

33歳男性.不妊を主訴とした精巣Leydig細胞腫の1例を経験した.不妊で他院に高度乏精子症と左精巣腫瘤を指摘され紹介受診した.左精巣上極に径2cmの表面不整,弾性硬の腫瘤を触知し,内分泌検査でテストステロン,FSHの低下を認めた.超音波検査,CTで左精巣内に境界明瞭な径2cmの腫瘤を認め,左精巣腫瘍と診断し左高位精巣摘除術を施行した.精巣の正常部位の顕鏡では奇形死滅精子のみであった.病理所見では強拡大像は好酸性微細顆粒状の豊富な細胞質と核小体が目立つ,大型で均一な核をもつ腫瘍細胞を認め,精巣Leydig細胞腫と診断した.術後テストステロンは徐々に正常値に上昇し,LH,FSHは術直後より急激な上昇を認め,精液所見も著しく改善し,術後10ヵ月経過で再発・転移は認めていない