経尿道的切除術に使用する器具の電気抵抗および漏電について

摘要

経尿道的前立腺切除術に用いていた7本の古い双極性のループ,3本の新品双極性ループ((1),(2),(3)),経尿道的膀胱腫瘍切除術に用いた2本の新品双極性ループ((4),(5)),および経尿道的前立腺切除術に用いた新品の単極性ループ((6),(7),(8),(9))の電気抵抗および漏電について検査した.7本の古い双極性ループのうち2本に漏電がみられ,5本は漏電がなかった.漏電のみられた2本の電気抵抗は,4.4および17オーム(Ω)であった.つぎに新品の双極性ループ5本((1)から(5))の,使用前の電気抵抗を調べると0.5から0.6Ωであったが,ループ(1)は6回使用後も5Ω以下,ループ(3)は5回使用でも2.8Ωだった.ループ(2)は,2回使用後に115Ωまで上昇したが,ループ(1),(2)および(3)を用いた平均切除時間は,66, 64および62分と差がなかった.ループ(4)は3回使用で14Ω,ループ(5)は6回使用でも1Ω以下であったが,これらの5本はいずれも漏電がみられなかった.一方単極性ループの4本((6)から(9))は1回使用後に漏電を示すとともに,かなりの電気抵抗がみられた.これらは双極性ループの適切な交換と,単極性ループの1回毎の交換が必要なことを示していた