Ultrasound-guided renal cyst puncture and 95 ethanol injection. Part 1: Estimation of ethanol levels in the blood and urine following 95 ethanol injection

摘要

孤立性腎嚢胞16例17嚢胞に対し,超音波ガイドによる経皮的嚢胞穿刺をおこない,嚢胞壁の凝固物質とし95%エタノールを嚢胞液量の26～91%(平均62%)注入し,20分留置回収した.この操作にともなう生体内でのエタノールの動きを血中と尿中エタノール・レベルより観察した.エタノール回収率は59～97%(平均82.4%)であった.1)血中エタノール濃度はほぼ30～60分後に最高値に達し,0.015～0.339 mg/mlに分布した.尿中排泄量は60～120分までに最高となった.2)投与エタノール量と血中最高濃度(r=0.66)や12時間尿中排泄量間には正の相関関係をみた.3)体内残留エタノール量に比べ12時間尿中排泄量は少なかった(平均2.3%),尿中/血中エタノール比はきわめて高く,嚢胞壁から吸収して全身血行動態へ移行するものより,腎から直接に尿中へ排泄するものの方が多かった.4)以上から,嚢胞内への95%エタノール注入は一過性に血中エタノール濃度と尿中排泄を増加するが,エタノールの回収を確実におこなえば,生体に影響することなく,安全に施行できると考えた