Study of sperm fertilizing ability in male infertility using the zona free hamster egg penetration assay

摘要

正常男性50名と不妊男性58名に透明帯除去ハムスター卵を使用した精子侵入試験(SPA)を施行したところ精子侵入率(中央値)はそれぞれ68%(13%～100%),11%(0%～100%)で不妊男性では低値であった.正常男性および不妊男性ともに精子侵入率と従来の精子パラメータとの間に相関は認められなかった.SPAの不妊診断率は72.4%と他のパラメータに比べて高率であり,男性妊孕能に最も関連する可能性が示唆された.これに対し従来重視されてきた精子濃度の不妊診断率は36.8%と低かった.従来の精液検査では正常と評価される「いわゆる原因不明不妊夫婦の夫」にSPAを施行し,精子侵入率10%未満の症例が36例中8例(22%)に認められ,精子授精能の低下が不妊原因となっている可能性が示唆された