Heavy metal pollution and tree growth III : Effect of excessive Cu treatment on seed germination, height growth and diameter growth of one-year-old Pinus Thumnbergii seedlings

摘要

過剰Cu処理された当年生クロマツ苗の発芽そしてその後の生育に及ぼす形態的な変化を調べた。土壌に処理されたCucl_2溶液の濃度は0, 40, 120, 260, 430ppm であった。結果の概要は, 1) 本実験の処理濃度範囲では発芽率自体への影響は少ないように思われるが, 発芽苗の土壌からの出現時期の遅れが認められる。2) 高濃度処理においては発芽後根の発達不良から転倒し枯死していく危険性をもつものが多い。3) 子葉, 胚軸といった種子のもつ栄養に生長が左右されるものへのCuの影響は比較的少ないが, その後形成される初生葉, 上胚軸さらに普通葉, 冬芽と形成時期の遅い器官程Cuの影響は明らかとなる。4) 根の伸長は過剰Cuにより抑制される。低濃度処理では生育期後半一時的に無処理苗より根の発達がすぐれる。5) Cuの影響は肥大生長より伸長生長は現われやすい。その結果形状比 (樹高/地際直径) は低下する。この傾向は低濃度処理 (処理3) でも生育初期より認められる。(Fig. 4)