Clinical observation of non-gonococcal urethritis

摘要

1984年10月1日より4ヵ月間に旭中央病院泌尿器科を受診した男子尿道炎の新患61名のうち,尿道分泌物培養で淋菌が同定された淋菌性尿道炎は28名であり,淋菌が同定されなかった非淋菌性尿道炎(NGU)は33名であった.これら33名のNGUをさらにChlamydia trachomatis (CT)培養により,陽性のCT群13名と陰性の非CT群20名に分類して,感染源と治療効果の差について検討した.1) CTによるNGUはそれ以外の尿道炎と比較して,感染源はいわゆる素人女性が多かった.2) NGU 31名にDoxycyclineを2週間投薬して,自覚症状と尿道分泌物の白血球の消失を指標とした治療効果をCT群と非CT群に分けて比較すると,前者では13名中全員が治癒したのに対し,後者では18名中7名が治癒したのみであった.3) CT感染によるNGUのDoxycycline投薬効果は,投薬終了時ならびに終了2週間後のCT培養や抗原検出検査による追跡調査の成績からもあきらかに認められた