STUDIES ON EPIDIDYMIS 1: STUDY OF EXPERIMENTAL NON-SPECIFIC EPIDIDYMITIS

摘要

E. coli, Ps. aeruginosa, Pr. mirabilisおよびS. marcescensを用い実験的副睾丸炎を作製した.1) 3 kg前後の雄家兎の精管のみ露出し,睾丸に向って精管内に108, 106, 105, 104, 103, cells/mlとなるように調整した菌液0.1 mlを注入し,注入後3日目に屠殺した.2)実験的副睾丸炎の発生は,肉眼的,組織学的に,Ps. aeruginosaがもっとも強く,Pr. mirabilis, S. marcescens, E. coliの順に炎症反応が強かった.3)副睾丸炎の強弱の程度をみるのにpoint counting methodを利用し副睾丸管々腔の拡張の程度から菌種,菌量などの関連を観察した.Ps. aeruginosaを使用した群でもっとも管腔拡大が認められ,ついでPr. mirabilis, S. marcescens, E. coliの順であった.4)急性副睾丸炎時には,睾丸にも炎症性変化のほかにspermatogenesisの低下が認められた.5)副睾丸組織中の細菌学的検討では,組織学的に高度な変化を起すPs. aeruginosa, Pr. mirabilis, S. marcescensでは副睾丸の各部位で菌が検出されたのに対し,E. coliでは菌を検出できないものが多かった