Relation between Properties of Mechanically Processed Surfaces of Wood and the Gloss Images.

摘要

ヒノキ, スギ, ウォルナット, セルティスの4樹種について, 5種類の異なる表面仕上げ (ミクロトーム, スーパーサーフェーサ, プレーナ, 丸鋸, サンドペーパー) を行い, 艶のイメージと視覚物理量の関係を調べた。その結果, 艶のイメージは鏡面光沢度の対数および光沢尖鋭度の対数と非常に相関が高いことを明らかにした。すなわち, 木材のような"細胞構造に基づく凹凸"のある材料では, 一般の材料と異なり表面粗さと艶のイメージとの相関は小さく, 切削面のミクロな平滑さや細胞内こう面からの反射により, 艶のイメージが決定される。従って, ミクロトームを用いて精緻な切削を行えば, 細胞内こうからの反射による艶 (シルクライク光沢) をより一層強く得ることができる。このことを落射顕微鏡を用いて観察し確めた。鋸やプレーナおよびスーパーサーフェーサによる木材切削の精緻さを表わす指標として"繊維に平行方向の投光に対する光沢尖鋭度"を提案した。なお, ここでいう光沢尖鋭度とは, "鏡面反射角 (60°) から±10°離れた角度 (50°および70°) における受光量"に対する鏡面反射角受光量との比である。