Vibration on the seat of forest road construction machines

摘要

芦生演習林を主要な対象地として従来より林業機械作業における人間工学的研究というテーマで機械土工作業に関する労働環境の調査を行ってきた。今回は林道建設機械であるブルドーザ, ショベルドーザに関する座席振動について調べた。近年特に森林作業の機械化が進み, 林道延長も大となり, それにつれてトラクタ作業の占めるウエイトも増大し, トラクタの座席の振動について, 労働環境の面からみて改善を要する問題が起ってきた。調査及び試験は2つの部分に分けられる。まず最初に林道建設の現場作業において停止時, 走行時, 排土・路面整地作業時などの基本要素作業ごとの分析を行い, その次にシートの素材別 (D50Sシート, D6シート, スポンジ, 発泡スチロール) の振動分析を停止時について行った。トラクタの振動は停止時と走行時では全く異ったタイプを示すが, 主な振動はエンジン回転数foとその高調波によるものであり, 走行時には特にfo以下の振動が目立つ。一方素材別の振動については現在使用されているシートでも伝達率が1以上になる周波数域があり, シート素材による振動減衰をも研究していく必要がある。オペレータの心拍の増加傾向については振動と正の関係にあることは確かである。ただオペレータが通常乗り慣れている機種でない場合はレベル的に高い心拍数を示すので, この点を考慮し, 平常乗り慣れている機種についてのオペレータ集団を対象に更に詳細な検討が必要である。