Intra-arterial infusion chemotherapy for liver metastases of testicular tumors: report of two cases

摘要

精巣腫瘍の予後不良因子として,1)直径2cm以上の肺転移,2)腹部腫瘤を触知する症例,3)肝転移例,4)下大静脈への浸潤例が挙げられている.自験例は2例とも1～3までを満たし予後不良と考えられた.初回導入療法としてPVeBV療法を施行した.しかし2例とも肺転移巣,リンパ節転移巣の縮小は得られたものの肝転移巣の増大が認められた.症例2に肝動注を行った際,カテーテル先端を総肝動脈までしか入れなかったため,十二指腸球部に潰瘍を形成し,多量の輸血を必要とするような吐血を引き起こしてしまった.その為,2回目以後は,胃十二指腸動脈をcoilingし固有肝動脈内までカテーテルを挿入するようにした.2例ともinduction療法でも肝転移巣が増大傾向を示した為,肝動注を行い転移巣が縮小した.1例はCRを,もう1例も今後CRとなる可能性もあると思われた