Studies on Expert System for a selection of machines on a forest road costruction

摘要

林道開設工事における機械施工の合理的設計を行うため, 作業環境条件に合致した掘削方法の選沢を行うプロトタイプのエキスパートシステムを構築した。このシステムは後向き推論を行う154のプロダクションルールからなる知識ベースと二つの外部プログラムからなる。システムには二つの特徴がある。ひとつは掘削機械の選択において暖昧さを含んだ定性的な判断を, ファジィ理論にもとずくメンバーシップ関数により定量化し, 好適度として表現していることである。好適度の計算は, 地形傾斜・幅員・硬岩切取量・土砂切取り割合・軟岩I切取り割合の5因子でそれぞれ行い, それらを総合して全体としての選択の基準とした。他のひとつは運搬捨土作業の最適化を行うため, シミュレーションの手法を用いている点である。作業のシミュレーションにより, 積込み機械と運搬機械の組合せから合理的な使用ダンプトラック台数を決定した。その際, 掘削機械と積込み機械の功程の整合性を保つため, 最適化の指標として積込み機械の合理的な稼動率を用いた。またシステムは利用者の意志決定支援を行うものであるという観点で構築した。そのため推論過程において多くの中間結論を設定し, 利用者に判断材料としてその結果を提供すると共に, 利用者の判断を入力するようにした。