A Study on the Humau-Machine Relationship in the Mechanized Forest Operations : Noise of a Rock Borer in Forest Road Construction

摘要

1973年の調査結果から前報告で林道工事の労働環境について種々の問題点を示唆したが, 本報告はその中のサク岩機作業の騒音を取り上げ, 工事現場の中で占めるサク岩機の騒音に焦点をしぼって調査した。工事現場の騒音はサク岩機による高周波領域に主要な周波数構成をもつ衝撃性の騒音とディーゼルエンジンで駆動されるブルドーザなどの低周波領域にかたよったものの2つのタイプがある。長時間連続して暴露しても人体に難聴のおこる心配のない80dB (A) 以下の騒音レベルになるにはサク岩機の騒音はディーゼルエンジンによる土工機械より一段と大きいため, 騒音源から26m強の見通し距離が必要であり, 作業者の聴覚に与える影響範囲は非常に広い。またサク岩機の騒音は騒音評価指数でN=110に達するが, 防音保護具の耳おおい (イヤーマフ) を着用することにより, N=85以下となる。耳おおいをした時に比べて, 耳おおいをしない時の心拍数は非常に高く, しかも心拍数の変動も非常に大きい。騒音源自体の騒音レベルについては耳おおいをしない時のほうが, した時より高い状態にあったが, 心拍数に表われた結果は耳おおいをしなかった時のほうが圧倒的に高い。これらのことから作業員は耳おおいをしない時には生理的のみならず, 心理的にも不安定な状態になったことを現わしている。なおサク岩機の騒音効果は同時に振動の影響も含まれるため, 今後作業員の直接受ける振動に差をつけて, 騒音と同時にそれらの効果を調査することが必要である。騒音と心拍数の相関について心拍数の自己相関は耳おおいをしないときに周期性が認められ, また相互相関においても耳おおいをしないときに周期性が認められる。特に時間間隔をおかない時に顕著な負の相関があった。騒音も臭覚などと同様に慣れの効果が作用するであろう。このような生体内部の反応と騒音などの外的条件を受けることによる心拍数などの生理的現象に表われる現象変化との関係を, ある時間間隔のもとで相関があるかどうかによって判断するには今後さらに調査研究を重ねていく必要がある。