Clinical study of urothelial tumors of the upper urinary tract. 2: Primary ureteral tumors

摘要

1963年から1981年までの過去19年間に当科で治療した原発性尿管腫瘍は計25例あり,男性18例,女性7例,平均年齢は63.0歳であった.臨床症状は血尿が圧倒的に多く,症状初発から受診までの期間は多数例が6ヵ月未満に受診していた.1VP所見は過半数で無機能腎を示した.尿細胞診は19例中12例(63.2%)と高率に陽性を示し,尿管腫瘍の診断方法として重要である.手術は23例に施行し,うち21例に完全腎尿管全摘除術を施行した.病理組織は22例が移行上皮癌.1例が扁平上皮癌であった.移行上皮癌についてgradeとstageとの間には相関関係の存在が示唆された.他の尿路上皮性腫瘍の合併は,膀胱腫瘍が13例認められ,術後尿路上皮性腫瘍の発生は膀胱に3例,尿道に1例であった.予後は5年実測生存率で39.4%であり,予後に影響を及ぼす因子は腫瘍のgradeとstageが最も重要で,術後補助療法はしない方が結果は良好であった